第26回 日本新聞協会「NIEニュース」第7号(1996年9月)発行
【1頁】
「教師ら250人が実践交流 東京で初のNIE全国大会」
「NIEニュース」第7号(1996年9月発行)は従来の8頁から12頁に増加しています。これは7月に開催された初のNIE全国大会に関する記事が入ったことによると思われます。どのような大会であったのか、まず概要を引用します。
第1回NIE全国大会(文部省後援)が7月26日、27日の両日、東京・内幸町の日本ピレスセンタービルで開かれました。参加したのは、全国のNIE実践者、NIEに関心の深い教育関係者と新聞界の代表ら256人(教育界から実践者98人を含め170人、新聞界から86人)。教師間の経験交流、教師と新聞関係者の情報交換が活発に繰り広げられました。
1日目は、プレスセンターホールで奥田幹生文相のあいさつが行われたほか、井上ひさし氏の講演、新聞・教育界の代表者が参加してのパネルディスカッション「報道・取材と教育の現場―NIE運動の可能性を求めて―」などが行われました。その後、各教科・領域別に分かれて、最近のNIE授業の展開方法をめぐって参加者が日ごろの経験や苦心を報告しながら率直に意見を出し合い、討論しました。各分科会では、「NIEで『子どもたちの生き抜く力』をはぐくむことができる」といった力強い報告が相次ぎました。夕刻からは、再びホールにおいて懇親会が開かれ、なごやかな雰囲気のなか、交流の輪が広がりました。
2日目は、分科会に引き続き、全体会議が行われ、大会の総括等を行いました。また、これと並行して新聞社のNIEコーディネーター、各都道府県の推進組織の代表者が集まり、「拡大コーディネーター会議」を開催し、新聞界として教育現場に対しどのようなサポートを行っていくか、などについて、討議しました。先生方へのアンケートでは、回答者の8割以上が「有意義だった」と高く評価され、第2回大会に「参加したい」と答えた先生は4割を超しました。
来年の第2回大会は7月31日と8月1日の2日間、広島市で開かれます(詳細は2~9面)。
【2~3頁】
「記念講演 新聞は創造活動の原点」
作家 井上ひさし氏
「新聞教材の提供に期待」
奥田幹生・文部大臣あいさつ
「活動支援にさらなる努力」
山本治郎・日本新聞協会NIE委員会委員長あいさつ
【4~5頁】
「パネルディスカッション 報道・取材と教育の現場 NIE運動の可能性を求めて」
出席者
パネリスト
渡辺裕子氏(宮城県仙台市立長命ヶ丘中学校)
小林豊茂氏(東京都北区紅葉中学校)
原口貴美子氏(大阪府大阪市立高津中学校)
勝方信一氏(読売新聞社解説部次長)
安東善博氏(中国新聞社編集局次長兼報道部長)
司会
山岸駿介氏(教育ジャーナリスト)
【6~9頁】
「分科会報告」
分科会Ⅰ
1社会1「丸ごと学ぶ姿勢大切」
本庄 伸子氏(東京都世田谷区立山崎中学校)
2国語1「心豊かな人間性の育成を目指す」
鹿野川 喜代美氏(東京都昭島市立瑞雲小学校)
3英語「レベルに応じて活用」
田嶋 英治氏(東京都立石神井高等学校)
4小学校低学年「『生き抜く力』を育てる」
安田 陽子氏(大阪市立四貫島小学校)
分科会Ⅱ
1社会2「新聞は生きた百科事典」
有馬 進一氏(神奈川県藤沢市立六会中学校)
2国語2「情報化、国際化に対応」
瀬野 光孝氏(東京都立永福高等学校)
3商業「『コンビニ経営』の課題で活用」
平野 篤士氏(東京都立芝商業高等学校)
分科会Ⅲ
1社会3「戦後補償(従軍慰安婦)問題と巻原発住民投票」
川端 弘実氏(新潟県三条市立第三中学校)
2家庭「新聞を通して食住を身近なものに」
矢野 尚子氏(東京都世田谷区立桜木中学校)
3ホームルーム「茶髪・ピアスめぐり討論」
古家 正暢氏(東京都足立区立花畑中学校)
4小学校高学年「諸外国のNIEと日本の課題」
岸尾 祐二(東京都聖心女子学院初等科)
「拡大NIE コーディネーター会議」
【10~11頁】
「米国NIE事情視察団報告記 楽しく現実の素材で学ばせる」
新聞協会は、7月15日から25日まで「米国NIE事情視察団」を派遣しました。メンバーは新聞社、新聞協会の計6人で、シカゴでの米国NIE大会に参加したほか、米国内の学校、新聞社を見学しました。ここでは、視察団に参加の朝日新聞・松村記者にNIE授業の模様を中心に報告願います。
朝日新聞東京本社社会部 松村崇夫氏
【12頁】
「高1生の3人に2人が毎日閲読 宮城県NIE推進委が実態調査」
「『こども高知新聞』新聞協会賞を受賞」
「大阪NIE研究会が発足 奈良・和歌山の教師も対象に」
「NIE情報の新たな発信地に 新聞協会がホームページを開設」
新聞協会は、10月からインターネット上にホームページを開設する。新聞・報道界の話題やデータ、最新の動向などを盛り込み、新聞・通信・放送各社のホームページへの接続も可能。いまのところ「NIEとは何か」といった基本的な情報のみ。これから情報量を増やし、最新の情報も取り入れ、本誌とともに、NIEの情報発信の場としての機能を持たせていく。
http:www.pressnet.or.jp
当時自宅には基本ソフトWindows95のデスクトップパソコンがあり、なんとかインターネットに接続ができていました。日本新聞協会のホームページにもアクセスし見ていた記憶があります。
各地の動き
編集後記
「NIEニュース第7号」(1996年9月発行)で初めての「NIE全国大会」(1996年7月26・27日)の開催の内容が紹介されました。
この「NIEニュース」と「NIE全国大会」の2つはこれからNIEの推進に大きな役割を果たしていくことになります。
「NIEニュース」は第83号(2016年4月15日発行)から最新のものを新聞協会NIEホームページからダウンロードして読むことができます。
「NIE全国大会」の第1回大会から最新の大会までのデータは下記の新聞協会NIEホームページで読むことができます。
ご参考に。