第29回 日本新聞協会「NIEニュース」第9号(1997年5月)、「NIEニュース」第10号(1997年9月)、「NIEニュース」第11号(1998年1月)発行
【1頁】
「座談会 第2回教育関係者 米国NIE事情視察団 実生活に即したNIE」
3月30日から4月6日までの日程で、ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨークの3都市を訪ね、NAA(米国新聞協会)のほか、それぞれの都市で地元紙、学校を視察した。一行は全国のNIE実践教師14人(小5人、中5人、高4人)と新聞協会事務局2人に、朝日、読売、中国、共同の4社4人が同行で参加した。うち3人の教師にお集まりいただき、同行取材された朝日新聞大阪本社の細野友彦記者の司会で、視察から学んだことを中心に話し合っていただいた。
【4~5頁】
「1997年度 NIE実践校(第1次)一覧」
「広島でNIE全国大会」
7月31日(木)、8月1日(金)の2日間、広島市で2回目のNIE全国大会が開かれる。
【6頁】
「NIE実践ヒント! NIEノウハウ」
大阪府立三島高等学校教諭 中村雅治氏
【7頁】
「2000年にNIE全国センター 日本新聞教育文化財団創設へ」
2000年の秋に開館する日本新聞博物館(ニュースパーク)の経営母体となる日本新聞教育文化財団の創設が決まった。6月の新聞協会総会で正式決定後、申請手続きを行う。同財団は、博物館運営のほか、NIE全国センター、新聞ライブラリー、研究所の運営を行う。新聞博物館は日本の日刊新聞発祥の地、横浜に建設される横浜市情報文化センター(仮称)の2階から5階までのスペース5200平方メートルを賃貸し、開館する。近春までに基本設計が決まり、実施設計の段階に入っている。NIE全国センターの業務、運営については、現在NIE第一専門部会内にチーム会議を作って検討を進めている。
【8頁】
「東京 カリキュラムをテーマにNIEセミナー」
「大阪で機関誌を創刊」
「高知の協議会に初の女性会長」
「『新聞のある風景』写真コンテストにご応募を!!」
各地の動きから
編集後記
【1頁】
第2回NIE全国大会(文部省など後援)が7月31日から2日間、広島市の広島国際会議場等で開かれ、全国のNIE実践校教師122人をはじめ、教育関係者、新聞界の代表など、昨年の第1回を約100人上回る39都道府県365人(うち教育関係者は264人)が参加した。
【2~3頁】
「パネルディスカッション『生きる力』をはぐくむNIE」
出席者
司会
小原友行氏
(広島県NIE推進協議会会長・広島大学学校教育学部助教授)
パネリスト
田村哲夫氏
(中央教育審議会委員・学校法人渋谷教育学園理事長)
中野重人氏
(国立教育研究所教科教育研究部長・元文部省視学官)
梶典之氏
(広島市立阿佐中学校教諭)
瀬戸純一氏
(毎日新聞東京本社編集委員兼論説委員)
【4頁】
「記念講演」
「新聞の読み方、読ませ方」
作家 古川薫氏
【5~8頁】
「分科会報告」
分科会Ⅰ
小学校1「家族と探す新聞の中の大阪」
長井 博和氏(大阪市立真田山小学校)
高校英語「英語に興味を持たせるために」
中澤 良秋(東京都立足立東高等学校)
中学・高校社会1「新聞から選ぶ『私のこだわり』」
瀬川 浩氏(広島県豊松村立豊松中学校)
中学・高校国語1「内面を引き出す編集作業」
梨木 昭平氏(大阪市立南高等学校)
分科会Ⅱ
小学校2「新聞ノートで親しみを」
石田 勝己氏(山口県熊毛町立三丘小学校)
高校商業「表現能力の向上を目指して」
池田 明氏(大阪市立岡商業高等学校s)
中学・高校国語2「コラム日記から自分のこだわりへ」
岩田 美登里氏(島根県松江市立第三中学校)
分科会Ⅲ
小学校3「楽しく、興味あることから始めよう」
藤井 秀美氏(大阪市立恵美小学校)
高校家庭「生活とのかかわりを見いだす」
小林 京子氏(広島大学附属福山中・高等学校)
中学・高校社会3「テーマを決め、歴史新聞を作る」
城戸 茂氏(愛媛県松山市立拓南中学校)
HR「発達段階に応じた新聞学習」
定宗 譲二氏(広島県大野町立大野中学校)
【9頁】
「小学生に効果顕著 NIE効果測定調査結果から」
「NIE実践ヒント! 触れてみよう!比べてみよう!」
東京都北区紅葉中学校教諭 小林豊茂氏
【10頁】
「海外情報 第二回国際NIE大会 IN サンパウロ」
読売新聞社編集委員 吉田伸弥氏
第2回国際NIE大会は9月10日から2日間、ブラジル・サンパウロ市のラテンアメリカ議事堂で開かれた。テーマは「電子メディア時代・新聞にとっての挑戦」。主催者を代表してジャイメ・シロツキー世界新聞協会(WAN)会長は「各国の新聞がサイバースペースという世界的ネットワークを用いて、それぞれの活動を広く知らせている。私たちはこういう素晴らしい武器を教育に生かしていきたい」と述べた。
大会には32か国から204人が参加した。日本からは牧田良平・神奈川新聞常務取締役ら計7人が出席。各国の実情報告に耳を傾けるとともにNIE関係者と交流を深めた。また阪田秀・日本新聞協会教育文化部長は「世界の優れたNIEのアイデア」の部でアジア・オセアニアの活動報告をした。
プログラムは「次の1000年における若者・社会・メディア」「インターネット・希望か熱狂か・災いか」「サービスと情報のセンターとしての新聞」など盛りだくさん。ポルトガル語、スペイン語。英語など多数の言語で意見や質問が飛び交った。
【11頁】
「1997年度 NIE実践校(第2次)一覧」
【12頁】
「第1回『新聞のある風景』写真コンテスト入賞作決まる」
「NIEサプルメント『わくわくNIE』発行」
「こども大分合同新聞発行」
各地の動きから
編集後記
【1頁】
「NIEに思うこと 生活の中にこそ新聞を」
岐阜県NIE推進協議会会長 聖徳学園岐阜教育大学長 上寺久雄氏
【2~3頁】
「渡部邦雄文部省主任視学官に聞く 生きる力とNIE」
聞き手 高橋 守時事通信社『内外教育』編集長
昨年11月、教育課程審議会が週5日制下の教育課程について、中間まとめを出したのを機に、同じく10月に文部省のNIE担当者となった渡部邦雄・主任視学官に、その狙いと、その中でNIEがどう期待できるのかについて、高橋守・『内外教育』編集長(日本新聞協会NIE第一、第二専門部会委員・NIEニュース編集長)が聞いた。
【4~7頁】
「普段着のNIE それぞれの実践・研究」
今年度初めて全都道府県にNIE実践校(262校)が広がったが、その一方で、NIE実践校としての指定終了後、また指定を受けずに、独自にNIEを実践している先生方も少なくない。今回は、こうした方々の実践を紹介するのと合わせて、各地域のNIE勉強会を支えている先生に、会の狙いや実際の活動ぶり、成果をご報告願った。(編集部)
気負わず楽しい活動に
仙台市立桜丘中学校 木下晴子氏
社会の出来事に目を向けるきっかけに
藤沢市立長後中学校 有馬進一氏
生徒の集中力を引き出す工夫を
新潟県立新発田高等学校 三浦幸夫氏
「情報活用」と「自分探し」
堺市立晴美台中学校 植田恭子氏
〈新潟県ネットワーク部会中学校部会〉
情報活用能力の育成を目指して
長岡市立旭岡中学校 金澤清司氏
〈大阪NIE小学校部会〉
一人でも多くの教師、子供にNIEを知らせたい
大阪市立四貫島小学校 安田陽子氏
【8頁】
「海外情報 第4回世界NIE調査 着実に広がるNIE」
WAN(世界新聞協会)は、第4回世界NIE調査(97年実施)を、昨年12月に発表した。それによると、NIEを実施しているのは35か国に上り、95年の前回調査から3か国増えている。各国の教師たちは共通して「子供たちが、テレビやコンピューターの前で多くの時間を過ごし、読書に割かれる時間がそれより少なく、目先の変化を求め、集中力が長続きしない現状」を改めるのにNIEが重要かつ有効としている。
NIEを進める上で教師は、行政への働きかけが重要と答える一方、教育行政へのNIEの認知は確実に進んでいることが分かる。
教育課程や読書計画がNIE活動を刺激すると回答している教師が多く、実際、フィンランド、オランダ、アルゼンチンなど多くの国では、初等・中東教育で、新聞が既に教育課程や読書計画に含まれている。
NIEが扱われている教科は、社会科が45%と最も多く、国語が32%と続く。NIE対象年齢については、10歳から17歳との回答が高い。
NIEに関する調査結果は、WANウェブサイトの「若い読者のプロジェクト」ページで見ることができる。
日本語訳した資料については、新聞協会NIE担当者までお問合せいただきたい。
「反響続く NIEサプルメント」
昨年10月に発行した新聞協会のNIEサプルメント「わくわくNIE(小学校高学年向き)が好評だ。都内の小学校から児童の感想文が寄せられたほか、申し込みを締め切った後も、実物を見てぜひわが校でも欲しいとの問い合わせも少なくない。
ある教師からは「小5社会科教科書『通信・運輸』の項は放送局が主に取り上げられている。放送と新聞の特性をそれぞれ児童にあげさせ、その優劣をディベートさせたいが、児童向けに新聞が理解できるような教材がないので困っていたところ。友人の先生から『わくわくNIE』を使ってはとアドバイスいただいた。ぜひ欲しい」という熱い電話も。サプルメントを編集した第1専門部会では、次年度に“第二弾”を編集・制作することにしている。
全高新 機関誌を創刊
各地の動きから
編集後記