第33回 朝日新聞NIEガイドブック『総合的な学習にNIEを 先生たちへのガイダンス』(1999年1月)発行
この当時、教育界では2000年から段階的に始められる「総合的な学習の時間」に注目が集まっていました。NIEでも「総合的な学習の時間」にどのような貢献ができるのか、全国紙では具体的な内容・方法をガイドブックや子ども向き雑誌などで発行していく動きが見られました。
1999年1月、朝日新聞がNIEガイドブックとして『総合的な学習にNIEを 先生たちへのガイダンス』を発行しました。
この冊子の編集・制作に際して、矢田部玲生氏(国立教育研究所教科教育研究部主任)、有馬進一氏(神奈川県藤沢市立長後中学校教諭)と私の3人が助言と具体的な活用例の取りまとめを担当しました。全国の先生方11名にご協力を頂きました。
「総合的な学習の時間」の特徴は、体験学習や問題解決学習を重視し、学校・家庭・地域の連携を掲げていました。内容として国際理解、情報、環境、福祉・健康などが学習指導要領で例示されていました。
この冊子を発行した朝日新聞NIE委員会では、冊子の「はじめに」の一部で次のように記述しています。
具体的な内容は、国際・情報・環境・福祉・健康・人権・郷土の分野を設け、それぞれの分野のなかで、記事を素材に テーマを設定し、そのテーマごとに、①情報を集める→②調べる→③まとめる→報告・発表・討論する、と展開させながら、児童・生徒を自発的な学習へといざなう具体例を示していきます。これに、記者がどのような視点をもって記事を書いているかについて触れる「記者の目」を加えました。対象となった新聞は98年9月の1カ月間のもの(おもに東京本社発行の最終版)です。
このほか、学校へのパソコン普及が急がれているため、「インターネット」の項を設け、そのNIEへの生かし方や朝日新聞のホームページのご案内をしております。また、巻末には「総合的な学習の時間」に関する解説記事を掲載してご参考に供したいと思います。
目次
○国際
○情報
○環境
○福祉
○健康
○人権
○郷土
○インターネット
[200X年の学校の姿]
「国際」と「インターネット」の項目を提示します。
冊子の発行の1999年1月には、NIEにおけるインターネットの可能性が言及されています。