第35回 毎日新聞『月刊ニュースがわかる』小学生版、中学生版(1999年4月)発行
NIEに関する子ども向けのガイドブックについては、読売新聞社が『新聞はともだち』(1995年)を、朝日新聞社が『新聞なるほど探検』(1997年)を発行していました。毎日新聞社はコンセプトが異なり、無料で配布する冊子ではなく雑誌として有料で販売できないかを考えていました。当時、東京都の公立小学校教諭の先生と私が内容について相談を受けていました。結構長く検討される期間があり、NIEに関係はするが雑誌そのもので世の中の動きを捉えることができるものを発行していくことになりました。
創刊号は1999年4月に発行された『月刊ニュースがわかる』です。当時、1冊300円ぐらいで、個人的には内容が充実している割にはリーズナブルな値段と思っていました。無料の冊子の意義はありますが、一過性のものになり継続した学びにつなげることは難しいことがあります。家庭や学校や公共図書館などで購読してもらえれば、確かな学びへの可能性があります。当初は「小学生版」と「中学生版」がありました。
創刊号の小学生版の一部をご紹介致します。全36頁の雑誌でした。
目次と「ニュースの人」
3月の「ニュースファイル」
毎回発行月の前月のニュースを簡潔に取り上げています。
「ゴンべのスコップ」
話題になった「臓器移植」のニュースでした。
「社会」
最後の1羽になった日本のトキの話題です。
「環境」
新しいレッドデータブックについて書かれています。
「世界は友だち」
毎回、各国の子どもの様子を紹介しています。創刊号はブータン王国の子どもたちです。
「マイスクール 授業公開」
毎回、全国各地の学校での授業を紹介しています。
「知る知るシリーズ」
話題になっていることを詳しく解説しています。
創刊号から編集委員として自由に発言させて頂きたくさん反映させて頂きました。この『月刊ニュースがわかる』は2024年現在も発行されています。25年も継続しています。これが現在の姿です。進化した姿がとても嬉しいです。
毎日新聞社のご配慮により、創刊号からの1999年度版をまとめて綴じたものを2000年にお贈り頂きました。私の本棚に置いてあります。