第3回 NIEは「News in Education」でもいいのでは
多メディア時代です。小学校1年生からタブレットパソコンを使う時代です。家庭によってはさらにデジタル機器を自由自在に使いこなす子どもたちの姿が見られます。もちろん新聞のもつ教育的意義はありこれからの市民社会でも大きな役割を果たすことに異存はありません。
新聞を購読している家庭では継続して学ぶ環境が整っているので大いに活用すれば多様に学べます。家族で読み学ぶファミリーフォーカスにも取り組めます。ぜひ取り組んで欲しいと考えています。
紙媒体でも『月刊Newsがわかる』(毎日新聞出版発行)、『月刊ジュニアエラ』(朝日新聞出版発行)などもあります。
私は教師現役時代に子どもたちが新聞・テレビ・パソコンを選択して世の中のニュースをどのようにキャッチできるかの授業をしたことがあります。また、タブレットパンソンを活用して衆議院議員や参議院議員の国政選挙を実際に子どもたちが選挙の様子を経験することも含めて取り組んだことがあります。
現在ではさらにデジタル化が進み子どもたちも自在に活用できるので、Newspaperに限定せず取得する手段を選択してNewsにアクセスする「News in Education」の考え方が出てきて当然のことでしょう。実際このような主張に出会うことが多くなってきたように思います。
子どもたちへ一律に新聞を提供することではなく一人ひとり個性を生かして自分が学びたいメディアを選択する場面があってもいいのではという姿勢です。
2024年11月に大阪で開催される日本NIE学会のシンポジウム「ニュースリテラシー教育をどうつくるか」では「Sosiety5.0の実現が唱えられる昨今、ニュース、およびニュースにかかわるコミュニケーションを媒介するメディアも、玉石混交、多様化しています。こうした中で『新聞』が担う役割も、変化することを余儀なくされています。本シンポジウムでは、ニュースを媒介するメディアとしての『新聞』の役割を再確認し、民主主義社会を強化・発展させるため、学校教育での『ニュースリテラシー教育』のこれからの可能性を、研究者、新聞社、実践者など多様な立場の方々からの考察をもとに展望したいと考えています。」と概要が書かれています。
文面の冒頭「Sosiety5.0」とは「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する人間社会の指す」こととされます。
どのような議論が展開されるか期待しています。
具体的にどのように「News in Education」を進めることができるでしょうか。私が現在取り組んでいることを2つご紹介致します。
私は現在日本NIE研究会幹事の川田龍哉氏とともに、学びの未来研究所の共同代表をしていますが、そのホームページで「News in Education」につながる学びを提示しています。この内容は完全に「News in Education」を意識して作成したものではないので、今後修正が必要になるかと思いますが。現在のところの具体的な学び方を提示しています。
学びの未来研究所
https://www.manabinomirailab.com/
○五感を伸ばす教育メソッド
○教育に新聞を
「NIEの基礎」「ファミリーフォーカス」「NIEで算数を」「NIEのアイデア」「NIEアラカルト」「新聞と友だちになろう」「ネットでNIE」「新聞探検」「NIE‐Mach」「新聞リテラシー」
○SDGs
○世の中なるほど探検隊
○小学生からの主権者教育
デジタル・シティズンシップ教育研究会
https://www.digitalcitizenship.jp/#:~:text=JDiCE%E3%81%A8%E3%81%AF.%20J
デジタル・シティズンシップという考えがあります。既に日本デジタル・シティズンシップ教育研究会が出来ています。法政大学キャリアデザイン学部教授の坂本旬氏、国際大学GLOCOM准教授・主幹研究員の豊福晋平氏が理論的な支柱になって活動しているようです。すでに以下の書籍を刊行しています。
『デジタル・シティズンシップ+ やってみよう!創ろう!善きデジタル市民への学び』(大月書店、2022年)
『はじめよう!デジタル・シティズンシップの授業―善きデジタル市民となるための学び―』(日本標準、2023年)
出版物のタイトルに付いている「善き」の意味を探っていきながら「デジタル・シティズンシップ」を学んでいこうかと考えています。
どんな学びも遅いことはありません。