第4回 家族で学び合うNIE、ファミリーフォーカスのすすめ
第1回のちょっと一息で「新聞離れが止まらない」ことを話題にしました。新聞が配達されている場所にはいろいろな所があります。自宅・公共機関・店舗・ホテル・コンビニ・駅の売店などなど。その中でも自宅に届くことが最も多いのではないでしょうか。その自宅でも新聞をとらなくなっているようです。その理由はまちまちでしょう。
NIEが実施されている場所も多様ですが、学校に新聞が入ることは新聞界にとって新しい顧客を開発するチャンスと考えることもあったかもしれません。ですから、教育界で「NIEは新聞の販促手段」と指摘する声はありました。そのことを「NIEニュース」第8号のフロントページで中野重人氏(国立教育研究所教科教育研究部長)も指摘され、そのような意見には「実践例で答えることである。この実践のどこが駄目で、どこに問題があるのかと。」と書かれています。その考えに賛同していました。
学校でNIEを行う時、新聞の切り抜きをコピーして全員に配布して行う時は問題ありませんが、一人ずつに新聞一部を配布する時は保護者が支払う教材費からおとすことになりました。このような問題は現在でも抱えていると思われます。継続的に一人一部新聞を持っての学習に経費がかからず実践できることは難しいことでしょう。
1992年5月に新聞界の「米国NIE視察団」に教師として初めて同行しました。サンフランシスコでのNIE国際大会でファミリーフォーカスの話題に触れたり、メンフィスの新聞社コマーシャルアピールでファミリーフォーカスに活用できるNIEガイドブックに触れたりしました。それ以来、家族で学び合うファミリーフォーカスに関心を持ち実践していました。もちろん、我が家でも行いました。
2000年に設立された日本NIE研究会で出版した2冊の本でもファミリーフォーカスの実践を掲載しました。2005年に設立された日本NIE学会でも、シンポジウム、課題研究、公開授業でファミリーフォーカスを取り上げました。私立小学校で集まっての企画でも横浜の日本新聞博物館でファミリーフォーカスを継続して試みたこともありました。残念なことにその後ファミリーフォーカスは広がることはないようです。
現在は多メディア時代で、特にネットを活用しての情報に関心があります。その中で紙の新聞を取っている家庭は減少しています。せっかく紙の新聞をとっているのならば家族で最大限活用できる方法を模索したらどうでしょうか。
ぜひファミリーフォーカスに取り組んでみたらどうでしょうか。
定年退職後、2023年秋に北海道新聞からファミリーフォーカスの取材依頼があり、年末に記事が掲載されました。ファミリーフォーカスの意義と具体的な方法を提示しました。北海道新聞NIEのページでご覧ください。 北海道新聞のNIEサイトはよくできています。ここから学ぶことができますよ。
北海道新聞NIEのページ
新聞で広がる親子の対話「ファミリーフォーカス」家庭は学びの場 料理や音楽記事 五感で楽しんで
掲載日:2023.12.25
https://nie.hokkaido-np.co.jp/article/23993/
北海道新聞NIE
https://nie.hokkaido-np.co.jp/