第1回 日本新聞協会NIEホームページを探るⅠ「NIEニュース」①
前回までの「日本のNIE原点における風景を探る-1985年~2000年日本新聞協会・新聞社の資料と私の執筆・発表資料から見えてきたもの-」(50回連載)に引き続き、今回からは「NIEはNews in Educationへ-紙でもデジタルでもニュースリテラシー・シチズンシップを育てる-」を連載していきます。
現在NIE活動を推進しているのは日本新聞協会で、それに加盟している新聞各社です。しかし、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞などの全国紙は推進する活動が1985年から2000年までのNIE原点の時期とは異なり鈍っていると思われます。それは、その3社の「NIEホームページ」を見れば一目瞭然です。一方、全国紙では産経新聞が積極的に取り組んでいるようすは「NIEホームページ」を見れば理解できます。
ブロック紙と呼ばれる北海道新聞・河北新報・中日新聞・中国新聞・西日本新聞は活発に展開しているようです。また、地方紙でも積極的に展開しているところが多く見られます。首都圏・関西圏でNIEを推進している方々にとっては少し残念な状況かと思われます。
上記のテーマを連載していくに当たり、まず日本新聞協会のNIEホームページを手がかりにいくつかの視点から書き始めてみたいと考えています。
日本新聞協会NIEページ
前回での「日本のNIE原点における風景を探る-1985年~2000年日本新聞協会・新聞社の資料と私の執筆・発表資料から見えてきたもの-」で大きな役割を果たした資料の1つが「NIEニュース」でした。
この「NIEニュース」83号(2016年4月15日発行)から日本新聞協会NIEページの「NIEニュース」のコーナーでダウンロードして読むことができます。
NIEニュース
最新号は2025年2月15日発行の第105号です。ダウンロードして読むことができる「NIEニュース」83号(2016年4月15日発行)から遡って本稿のテーマに関わることを考察してみます。
NIEニュース83号(2016年4月15日発行)
https://nie.jp/publication/pdf/ver_83.pdf?2016
【フロントページ】
2016年4月から日本新聞協会NIEコーディネーターに就任した関口修司氏執筆の特集「人生を切り拓く力とNIE」が掲載されています。関口修司氏は以前から面識があり2025年2月にもお会いしました。
「主権者意識の基盤になる社会参画意識を育む」「生涯にわたって豊かに学び続ける習慣を育む」「協働して新たな価値を創造するコミュニケーション力を育む」の3つの視点から述べられています。この3つの視点はNIEの方向として私は賛同します。
当時、私は聖心女子学院初等科の5・6年生の社会科を教えていました。既にタブレットパソコンを社会科やNIEの授業に活用していました。もちろん、それ以前はデスクトップパソコンやノートパソコンを活用した授業を行ってきました。ですから、NIEも紙媒体に限定せずデジタル機器を活用して取り組んでいました。関口修司氏が提唱されている上記3つの視点について、デジタルを活用したらどのようにできるか、模索していました。
【4~5頁】
横須賀市立田戸小学校総括教諭・日本NIE学会常任理事臼井淑子氏による研究報告「日本NIE学会セミナー『NIEカリキュラムを考える』」
臼井淑子氏は日本NIE研究会の幹事でもあり、実践と研究を統合する姿が見られる先生です。この当時私も日本NIE学会の理事でしたが、積極的に関わることが出来ず申し訳なく思っています。NIEを学校に限定せず、家庭や地域社会で展開することの必要性を2005年の学会設立時から主張しましたが、力不足でした。
【5~6頁】
東京都江戸川区立東小松川小学校校長・NIEアドバイザー田中孝宏氏による執筆「若手教師に『職員室NIE』」
田中孝宏氏も毎日新聞『月刊Newsがわかる』の編集委員を一緒にさせて頂きNIEも研究していました。
「NIEの裾野を広げるために、若い教師に新聞をもってもらうことが大きな課題となっている。『職員室NIE』提唱する田中孝宏NIEアドバイザーにご執筆いただいた(編集部)。」とあるようにアイデア一杯の先生で、デジタルにも精通していらっしゃいました。
【6頁】
日本新聞協会前NIEコーディネーター 吉成勝好氏による執筆「NIEコーディネーターを退任するに当たって『持続するNIE』を目指して」
吉成勝好氏は、私が1988年以降日本新聞協会NIEに関わるようになってずっとお世話頂いた先輩の小学校教師・校長でした。よく私の授業を見て下さって頂きました。コンピュータ初期の時代にもパソコンを活用されていらっしゃいました。
期せずして日本新聞協会のホームページからダウンロードすることができるようになった最初の「NIEニュース」83号(2016年4月15日発行)では、私が存じ上げる関口修司氏、臼井淑子氏、田中孝宏氏、吉成勝好氏が執筆されています。この4人の方に「NIEはNews in Educationへ-紙でもデジタルでもニュースリテラシー・シチズンシップを育てる-」についてご意見を伺えればと考えています。