第2回 日本新聞協会NIEホームページを探るⅠ「NIEニュース」②ニュースを「分解」する力
NIEニュース84号(2016年7月15日発行)
https://nie.jp/publication/pdf/ver_84.pdf?2016
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「ニュースを分解する力 SNS時代に身につけたい情報選別スキル」
ヤフー株式会社 メディアカンパニー ニュース事業本部編集部リーダー 伊藤儀雄氏
この時期に「ニュースを分解する力 SNS時代に身につけたい情報選別スキル」というテーマでの掲載。日本新聞協会のNIEの先進的な意気込みが感じられます。
2015年の日本労働組合総連合の調査結果から考察をしています。15歳から23歳の男女1000人が調査対象です。「テレビ」「ニュースサイト」「SNS」「ネット検索」「親との会話」「友人との会話」「まとめサイト・ニュースアプリ」「新聞」の順番だそうです。
伊藤儀雄氏はネット上には無数のニュースサイトがあると言及し、若い人たちは日々大量の発生源からニュースを摂取しその中から自分が欲しい情報を自ら選んでいるとし、ネット上には、既存メディアでは伝えられなかったより専門的で詳しい情報が手に入るとしています。
一方で不正確な情報やデマ、人を傷つけるような情報も飛び交うとし、このような情報を「選別」するスキルはそう簡単に身につけることは難しいとします。基礎的な情報選別の訓練の必要性を述べています。例えとして、ニュースを「分解」する方策を挙げています。
最後に以下のように述べています。「ネット上に流通する『記事』は新聞記事だけではない。そんな様々な記事を『分解』してみると必要な取材が行われていなかったり、伝聞や推測だけで書かれていたりして信用するに足りない記事が数多くあることが実感を伴って理解できるだろう。」
記事を「分解」してみることはメディアリテラシーを身につける1つの方法であると考えました。
本稿は今から10年前のデータに基づいてのものです。その後、急速にスマホが普及したのですから、この順位は大きく変化していることでしょう。「テレビ」「新聞」の位置・割合が気になります。
2023年から2025年までの政治家の裏金問題、兵庫県知事選挙など公職選挙法に反する事件、ジャニーズや松本人志・中居正広問題とテレビ局の関係など既存メディアでは触れないことがネットでの情報から得られることが経験できました。そこにも「分解」の方策が不可欠でした。
「あらゆる情報を正しく理解するための『分解』の方策」あらゆる層の人々が身につけることが求められる時代になってきたと感じています。