第3回 日本新聞協会NIEホームページを探るⅠ「NIEニュース」③一斉授業から「個」重視へ
NIEニュース87号(2017年4月15日発行)
https://nie.jp/publication/pdf/ver_87.pdf?2017
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「学びの質向上を目指す改訂 一斉授業から『個』重視へ」
横浜市立中川西中学校校長・中央教育審議会教育課程企画特別部会委員 平川理恵氏
平川理恵氏はその後広島県教育委員会教育長に就任されています。メディアでは賛否両論あったようですが、個を重視することは「紙でもデジタルでもニュースリテラシー・シチズンシップを育てる」私のテーマにとっては大事な要素です。OECDキーコンピテンシー3つのカテゴリーから提言されています。
「ICTや言語を道具として使いこなす」
教育先進国ではマインドマップやシステムシンキングなど「物事を考えるためのフレームワーク」を徹底して体得させ、問題解決を導く道筋やプロセスを学ぶ。
「異質な集団の中でうまく協働できる」
教育先進国ではクリティカルシンキングを猛烈に学ばそうとしている。
「目標をもち、スケジュールをたて、自律的に行動できる」
教育先進国では体育や学活など、決まっている時間以外は、個々の進度を測るテストを定期的に受け、自分の弱点を補強し、強みを伸ばすような時間割を先生・保護者・本人で決定していく。
個々の子供に合わせた学びを実現するには「資質・能力」論をもってくるしかないのだ。
本稿に3カ所出てきた「先進国では」という言葉に若干違和感を持ちましたが、大胆な教育改革が必要なことは理解できます。後半の「教員の多忙解消」はとても大切な視点でした。2025年現在の教員不足を8年前から予測されていたのでしょう。
「個々の子供に合わせた学びを実現するには『資質・能力』論をもってくるしかないのだ。」も理解できます。個々の学びと「資質・能力」論をセットで考えていくことが求められます。
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「ICTを活用したNIE」
富山市立芝園小学校教諭 大門秀司氏
5年生「総合的な学習」での取り組みです。「全員がプレゼンテーションを行った」とありますので、個々の学びが重視されているのでしょう。その効果として最後に次のように書かれています。
「新聞とICTを学びのツールとして学習に位置付けたことで、『考えをもつ際に情報が得やすい』『友達と情報を共有し考えを比較・関連させやすい』『他者に効果的に伝える力が高まる』など、子供の学びに広がりが生み出されていった。」
新聞とICTを学びのツールとした興味深い実践だと考えました。