第4回 日本新聞協会NIEホームページを探るⅠ「NIEニュース」④「フェイクニュース」をどう捉える
NIEニュース87号(2017年7月15日発行)
https://nie.jp/publication/pdf/ver_88.pdf?2017
【6頁】
「『フェイクニュース』問題から考える 新聞で磨くメディアリテラシー」
朝日新聞東京本社IT専門記者 平和博氏
本稿掲載の趣旨は次のように書かれています。
「情報化の進展やソーシャルメディアの台頭は、新聞界にも新たな課題を突きつけている。新聞というメディアが今、どのような課題と向き合い、日々、報道しているのか。新聞社の置かれている現状から、社会全体で育むべき情報リテラシーの必要性が見えてくる。『フェイクニュース』を切り口に、情報化社会で新聞が果たす役割について、新聞記者の目線から紹介いただいた。」
平和博氏は「『フェイクニュース』にだまされないために、何が必要か?」と冒頭切り込みました。続けて「2016年の米大統領選挙の混乱ぶりを目にし、しかも背後に『フェイクニュース』の氾濫があったと耳にすれば、誰もがそんな気になるだろう。」
2024年11月の兵庫県知事選挙も同じような構造ではなかったでしょうか。2016年に米国で起こった出来事が2024年11月に日本でも起こったのです。2024年11月は米大統領選挙でトランプ氏が再選されたのでした。
平和博氏はさらに次のように記述されています。「『フェイクニュース』がネットを席巻し、現実のニュースよりも影響力をもつならば、人々は事実がどうかを顧みなくなるだろう。自分の信じたいものだけを信じる『情報のタコツボ化』は、民主主義を破壊してしまうかもしれない。」
「情報のタコツボ化」の問題点を指摘されています。
その後で、平和博氏は「フェイクニュースにどう対処すればいいのか」以下の3点を提示されています。
偽情報の拡散に加担しないために
「『フェイクニュース』にだまされず、拡散にも加担しないためには、情報を取り扱う能力『メディアリテラシー』を、ソーシャルメディア時代に合わせていく必要がある」と書かれています。
基本的な「情報確認」でフェイクニュースを排除
「共有する前に、まず『本文に目を通す』こと。そうすれば情報の真偽を判断する手がかりになる。」「『発信者はだれか』を確認することも重要だ。」「ニュースには発表の主体などの『情報源』が示される。それがどこかもポイントだ。」
「『画像は本物か』。全く別の事件の画像を流用していないか。画像に加工することで事実を改ざんしていないか。」
新聞の「ファクトチェック」で育成できるリテラシー
「事実確認の手法や過程、その結果をオープンにし、幅広く読者と共有していくことでメディアリテラシーの普及にもつながる。実際には米国では、既存メディア、ソーシャルメディア、研究者らが連携して、そのようなメディアリテラシー推進の取り組みを始めている。」
私の研究テーマに多くの示唆を与えて下さった原稿でした。