第16回 編著『特派員からのメッセージ』(1993年5月)拙著『スポーツ記者を追いかけろ』(1993年11月)
第7回 私のNIE起点になる授業 5年生「新聞と友だちになろうPART1」(1989年)の中で、世界各地に駐在している日本の新聞社の特派員に、5年生の子どもたちが手紙で取材する学習がありました。
「世界にいる日本人特派員に手紙での取材」の学習の様子は以下を参照して下さい。
https://www.manabinomirailab.com/_files/ugd/72f8d9_6cfadd2c965248ca860103b51521972f.pdf
この学習をもとに編著『特派員からのメッセージ』(リブリオ出版、1993年5月)を発行しました。
『特派員からのメッセージ』は1993年に発行されましたが、30年後、この本の電子書籍版が2023年6月に発行されました。書籍と電子書籍の両方のことをnote私立小学校研究所の「No.70 2023年6月9日『特派員からのメッセージ 電子書籍版』発行」に書きましたので参照して下さい。
https://note.com/pesri/n/n7f0b7efde5f2
1989年から1990年代前半は、国際的に大きな出来事が起こりました。
「天安門事件」(中国、1989年6月)
「ベルリンの壁消滅」(西ドイツ・東ドイツ、1989年11月)
「米軍パナマに侵攻」(1989年12月)
「ルーマニア政権崩壊」(1989年12月)
「南アフリカ、マンデラ氏釈放」(1990年2月)
「イラク、クウェートを統合」(1990年8月)
「統一ドイツの誕生」(ドイツ、1990年10月)
「湾岸戦争に突入」(米国を中心とした多国籍軍・イラク、1991年1月)
「湾岸戦争終結」(米国を中心とした多国籍軍・イラク、1991年2月)
「南北朝鮮が国連加盟」(韓国・北朝鮮、1991年9月)
「ソ連共産党支配に終止符」(ソ連、1991年8月)
「ソ連邦消滅、独立国家共同体が発足」(ソ連、1991年12月)
※独立国家共同体(11カ国)
ロシア・ベラルーシ・ウクライナ・モルドバ・アルメニア・アゼルバイジャン・トルクメン・ウズベク・タジク・キルギス・カザフ
「中国・韓国国交を樹立」(中国・韓国、1992年8月)
「米大統領クリントン氏」(アメリカ、1992年11月
このような国際的な出来事は今後もさらに報道され続けると考え、新聞各社が派遣している特派員の仕事に子どもたちの目が向くよう出版したのでした。
最後に次のような文章と絵を入れました。当時電車の中で新聞を読んでいる大人はたくさんいましたが。
日本の小学生や中学生もおおいに「新聞」で視野を広げて欲しい。
きっとそのうち、このような光景が見られるようになるかもしれないね。
電車の中でのNIE
1993年5月プロサッカーのJリーグが開幕しました。プロ野球、大相撲、Jリーグと日本のプロスポーツの全盛期を迎えることになりました。
すでにプロ野球や大相撲では外国人選手が活躍していましたが、Jリーグではさらに多くの外国人選手が参加するので、プロスポーツを通して国際理解を図るチャンスが訪れました。子どもたちが好きなスポーツ記事を通して国際理解が進められるのです。
このような思いで、読売新聞社にご協力いただき『スポーツ記者を追いかけろ』(リブリオ出版、1993年11月)を発行することができました。
プロ野球、大相撲、Jリーグの記者とカメラマンを取材し、翌日の新聞にはどのような記事が掲載されたかまで追いかけます。
記者とカメラマンの行動を追いかけて下さったのがカメラマンでした。カメラマンがカメラマンを追いかける面白い現象が見られました。
Jリーグには多様な国の外国人選手が参加されました。1年目だけでもブラジルのジーコ選手、アルシンド選手、ペレイラ選手、アルゼンチンのディアス選手、モネール選手、ドイツのリトバルスキー選手、イギリスのリネカー選手、チェコのパベル選手、スウェーデンのフォンテルブルグ選手、オランダのハーフナー選手、中国の賈(か)選手、韓国の廬(の)選手など、その後も多くの国の選手が活躍されていました。
この時のことはnote私立小学校研究所の「No.3 1993年11月10日 長嶋茂雄監督が推薦『スポーツ記者を追いかけろ』の出版」に書きましたので参照して下さい。
https://note.com/pesri/n/n137914356bde
子どもはスポーツが大好きです。その大好きなところからNIEが始められればという意識で実践しました。この取材と『スポーツ記者を追いかけろ』を活用した実践は次回の「Jリーグから社会を探ろう-NIEにおけるJリーグの学習材としての可能性を探る」『東京NIE推進委員会研究報告書 1993年度 』1994年6月、所収)で
ご紹介します。