第8回 1990年~1993年 東京NIE推進委員会に国立・公立・私立の先生方が参加し協力的に実践・研究を進める
1990年度から東京NIE推進委員会に、国立・私立の先生方が参加するようになり、国立・公立・私立が揃ってNIEを実践・研究する体制が整えられました。私はそれ以前に教育系の学会や民間の研究会に所属していることがありましたが、国立・公立・私立の先生方がそれぞれ一定数参加している研究会は経験がありませんでした。特に私立小学校は私学の独自性がありますので、特定の団体には所属していても国公立の先生方と協力しての実践・研究はまれなことだと考えられます。国公私立それぞれ人数の増減はありましたが、1990年~1993年までの4年間この体制は継続されていました。
これらの記録は4冊の「東京NIE推進委員会研究報告書」(1990年~1993年)に記載されています。
「東京NIE推進委員会研究報告書 1990年」(1991年6月発行)には、小学校関係者として以下の名前が見られます。
副代表幹事代行 松村昌俊氏(清瀬市立清瀬第五小学校長)
副代表幹事 山本義秋氏(青山学院初等部長)
副代表幹事 柳 辰男氏(学芸大学附属竹早小学校副校長)
幹事 吉成勝好氏(練馬区立関町北小学校教頭)
小学校分科会
<国立> 大沢克己氏(学芸大学附属竹早小学校)
内山 隆氏(学芸大学附属世田谷小学校)
千葉 昇氏(学芸大学附属大泉小学校)
岩本廣美氏(学芸大学附属小金井小学校)
<公立> 持田浩志氏(東久留米市立第九小学校)
竹泉 稔氏(東久留米第九小学校)
内野宏史氏(新宿区立早稲田小学校)
浅野正道氏(東村山市立青葉小学校)
他4人
<私立> 金納善明氏(成蹊小学校)
岸尾祐二 (聖心女子学院初等科)
加藤裕明氏(成城学園初等学校)
笠井修一氏(国立学園小学校)
他8人
「東京NIE推進委員会の会合内容」に次の記述がありました。
<小学校分科会>
第2回(2.28)
国・公・私立合同の第1回小学校分科会。私立聖心女子学院初等科の岸尾教諭からNIE実践の報告と意見交換。
幹事の吉成勝好氏(練馬区立関町北小学校教頭)が「小学校におけるNIE研究の方向」で次のように書かれています。
「東京NIE推進委員会に、私立および国立の小学校が加わったことは、東京におけるNIE運動・NIE研究にとって画期的な出来事である。研究の幅も深さも広がりも、今後一段高い段階に達するだろうことが期待される。
①優れた実践者を発掘し、その実践例と成果を集積・整理・活用していく。
②新しい人材を起用し、いろいろな場と機会を通して、多面的な実験的実践を行う。
③公・私・国立各校の実践や理論の交流、切磋琢磨の場を設ける。
④NIEに関する公開研究会やシンポジウム・講演会等の開催、実践レポート・研究論文の公募など、新聞界・教育界共同のキャンペーンイベントを企画する。
今後、これらの実現を通して、NIEの持つ可能性をいっそう探っていきたい。」
この時期として画期的な提案だったと考えられます。
1991年度から小学校の幹事に次の方が就きました。
「東京NIE推進委員会研究報告書 1991年」(1992年6月発行)より。
吉成勝好氏、持田浩志氏、金納善明氏、岸尾祐二、大沢克美氏
公立小学校2名、私立小学校2名、国立小学校1名
このような教育研究組織は他にどれくらいあったのでしょうか。NIEに限定せず当時調べてみたくなりました。