第18回 日本新聞協会編「NIEニュース」創刊号(1994年11月)発行
現在発行されている日本新聞協会編集の「NIEニュース」(2024年7月15日第104号発行)の第1回創刊号が1994年11月22日に発行されています。今回はこの「NIEニュース」創刊号について話題を提供致します。
まず全ての紙面を提示します。全8頁です。
それぞれの頁の内容の一部をご紹介致します。
【1頁】
「創刊によせて」
日本新聞協会・NIE委員会委員長 山本治郎(中国新聞社社長)氏「教育界の力になりたい」
文部省大臣官房審議官 辻村哲夫氏「NIEに期待する」
「NIEとは?」
コラムとしてNIEを紹介。NIEと従来の新聞活用との違いについて解説。
【2頁~3頁】
「日本NIE小史」
「日本のNIE活動は、NIEの先達である欧米の事例に学びつつ、独自の展開をしてきた。当初、新聞界から教育界に呼びかける形でスタート。現在は各地で教育界の協力を得て、日本新聞協会と各新聞社の活動が密接にかかわりあいながら活動が進められている。」
NIE草創期 85年~88年
日本新聞協会のNIEへの言及と具体的な取り組みの様子について書かれています。最後に「日本の新聞社で最初にNIEに取り組んだのは茨城新聞社で、87年に県下の先生とNIEの研究・推進組織を発足させ、独自のプログラムを展開している。」という記述があります。
第一次パイロット計画 89年~93年
東京での東京NIE推進委員会でのパイロットプランの実施、大阪や新潟での取り組みについて書かれ、89年以降の各地の取り組みについて触れています。
第二次パイロット計画 94年~
パイロット計画を28都道府県の66校(小学校24、中学校26、高等学校16)に広がることを述べています。
NIEを支える活動
新聞を理解してもらうためのガイドブック・シリーズ『私は「新聞」です。』(第1~3集)発行。
実践事例集『新聞で遊ぼう 考えよう』発行。
NIEを紹介するリーフレット『いきいき学習 NIE』発行
各新聞社が紙面で取り上げるNIE関係の記事、米国にならい教職経験のある人をNIEコーディネーターと迎えている社が94年で7社、日本新聞協会が横浜市に1998年度開設を目指す新聞博物館について記述されています。
世界の潮流NIE
米国新聞協会(NAA)財団は、毎年5月にNIE大会を開催している。90、92年には大会期間中に「国際NIEの日」が設けられ、ユネスコのほか北米、中南米、北欧など欧州、豪州などから約20か国が参加した。来年は国際新聞発行者協会(FIEJ)主催の国際NIE大会がスウェーデンで開催されるというような情報が掲載されています。
“若者の活字離れ”を憂える
日本新聞協会がNIEを提唱した背景には“若者の活字離れ”がある。ことを述べています。シンポジウム「新聞と情報教育」(東京NIE推進員会主催)での私の発言「子どもたちの文字離れは、実は批判的な精神力を欠如させていく」との指摘が引用されています。
【4頁~5頁】
「日本新聞協会のNIEパイロット計画 28都道府県で実施」
日本新聞協会では、これまで東京、大阪、新潟で実施してきたNIEパイロット計画の対象地域を、1994年度からこれ以外の地域でも広げ、28都道府県66校(小学校24、中学校26、高等学校16)に在籍する先生方を実践者として登録しました。
【6頁~8頁】
NIE―日本の現状と先進地米国の展開 日本新聞協会主催 第2回NIEセミナーから
米国新聞界のNIE
米国新聞協会(NAA)財団のベティー・サリバン教育計画部長は米国のNIEの歴史について話し、現在NIE及び新聞を使った識字プログラムはNAA財団によって推進されており、毎年6万7千校以上の学校が参加しており、プログラムを援助している新聞社は全米の日刊紙の85%になることが書かれています。
新しい学力観に沿うNIE
「新潟県教育員会は、なぜNIE研究に取り組んだのか」をテーマに室賀・新潟市立白山小学校校長が、新潟県教育委指導主事時代にNIE推進活動にかかわった体験を披露されたことが書かれています。
NIE推進には教育界の理解を
「実践社が答えるNIEワンポイントアドバイス」では、新潟日報・神戸新聞・熊本日日新聞の3人が出席しての様子が書かれています。
中学校の実践
東京の公立中学校二人の先生の実践が紹介されています。
小学校の実践
6年社会科単元の中でNIEを導入した東京都公立小学校の先生の実践が書かれています。
高等学校の実践
都立高校の先生の新聞とテレビの特徴を理解するための生徒による討論の様子などの実践が書かれています。
サリバンさん、小学校を訪問
10月6日に聖心女子学院初等科6年生での私の授業を参観されたサリバン氏の様子が紹介されています。
NIE日誌(1994年4月~11月)
編集後記
当面年3回の発行予定が述べられています。
(社)日本新聞協会とは
私はこの「NIEニュース」発行がよりNIEの広がりを促進する契機になるとの意識から、1994年は日本新聞協会のNIE推進の第2期に入っていったと認識しています。