第4回 『世界のニュースを伝える』の出版から、新聞を理解し日本新聞協会NIE専門部会と繋がりができる
私は大学のゼミの先生や先輩方との繋がりで、教師になって4年目の1984年から1989年まで4件の出版に携わることができました。そのグループは青山学院大学の社会科研究会で研究を基に出版をしていました。その内の1件『世界とともに生きる日本の産業』全12巻(リブリオ出版、1989年)発行の企画がありました。主に小学生を対象にした出版でした。子ども向きの本の出版は初めての経験でした。
その企画で私は「新聞」を取り上げることを提案し、『ご存じですか NIE NEWSPAPER IN EUCATION』(日本新聞協会、1987年)の冊子を手がかりに、1988年日本新聞協会に依頼をしにいきました。これが私と日本新聞協会との出会いでした。日本新聞協会のNIE担当部長の深沢氏、NIEコーディネーターの妹尾彰氏(後に日本NIE研究会会長就任)にお会いし意図を説明しますと直ぐに、河辺氏(朝日新聞社)をご紹介して頂き、朝日新聞を取材しての出版の一歩を歩きだしました。
大きなタイトルが「世界とともに生きる日本の産業」ですので、当時国際ニュースに強い朝日新聞にお願いしました。私たちの研究会でも国際理解教育を重視していましたので、指導名を「国際理解教育研究会」にしました。今回の出版は「執筆指導」という位置づけでした。社会科研究会の4人は全員教師でしたのですべて引き受ける余裕はありません。私の場合は構成を考え担当する「朝日新聞社」に出向き趣旨を説明し了解を求めると共に「朝日新聞社」の実態を教えて頂きました。これがとても勉強になりました。あとはライターが執筆した原稿をチェックし、出版社と検討し出版の運びとなりました。
目次をご紹介します。
オリンピックを報道する
世界の新聞
外国の新聞記者が日本にもたくさん来ている
新聞は世界を見る目
海外からのニュースをまとめる外報部
世界にニュースを送る国際配信部
編集局は新聞作りの中心
ニュースの交通整理をする整理部
原稿を電気信号に変える漢字キーボード
文字や文章の誤りを直す
写真やイラストを紙面に組み込む
新聞をはきだす高速輪転機
仕分けからトラックまですべて自動化
販売店から私たちの家へ
これからの新聞
まとめ/学習のポイント
私は「新聞」の他に「食品」「広告」を担当しました。「食品」はカップヌードルの日清食品を、「広告」は日本を代表する電通を選択し、「新聞」と同じように構成を考え日清食品と電通に出向き趣旨を説明し了解を求めると共にそれぞれの実態を教えて頂きました。この2つの会社も「新聞」との繋がりが深かったです。
「世界のニュースを伝える」の一部をご紹介します。1988年のソウルオリンピックの取材過程を取りあげています。
陸上競技の男子100mでは、カナダのベン・ジョンソンが「世界一速い男」になりました。しかし、あとになって、ドーピング(薬物不正使用)がわかり、金メダルは剥奪されました。
出版された『世界とともに生きる日本の産業』全12巻です。この出版を経験しNIEも教師が教える手法だけでなく、子どもが直接学ぶことなど多様な方法があってもいいのかなと考えました。
欧米の紙面やマニュアルにもきっと多様性があるはずと、実際に見てみたい思いになりました。