第49回 第2期(1994年~1996年)広く普及へ「NIEニュース」創刊「教育関係者外国NIE視察」開始
第2期(1994年~1996年)の考察
1994年11月 「NIEニュース」創刊
その後時系列に1985年~1994年の以下の資料を提示(番号は第1期からの続き)
(12)日本新聞協会「NIEニュース」創刊号 1994年11月
(13)日本新聞協会NIE委員会編『NIE-教育に新聞を 実践報告書 小学校編』1994年度 1995年6月。
(14)日本新聞協会「NIEニュース」第2号 1995年3月
1995年3月 「教育関係者米国NIE事情視察団」派遣
(15)日本新聞協会「NIEニュース」第3号 1995年7月
(16)「民主主義と教育と新聞-NIE活動10年」日本新聞協会『新聞研究』1995年12月号、所収。
(17)読売新聞NIEガイド『新聞はともだち』1995年11月
(18)日本新聞協会「NIEニュース」第4号 1995年12月
(19)日本新聞協会「NIEニュース」第5号 1996年3月
(20)日本新聞協会「NIEニュース」第6号 1996年7月
第2期の大きな動きは、1994年11月に日本新聞協会「NIEニュース」が創刊されたことです。この「NIEニュース」は現在も発行されています。 この「NIEニュース」はNIEの普及に大きな役割を果たしました。
まだ、十分NIEが理解されていない段階での各方面からのNIE情報提供で、広く理解していただく契機になりました。
第1号から第6号までフロントページでは、以下の特集が組まれていました。
第1号 「創刊によせて」
日本新聞協会・NIE委員会委員長 山本治郎「教育界の力になりたい」
文部省大臣官房審議官 辻村哲夫「NIEに期待する」
第2号 「NIEの効果」
奈良教育大学教育学部助教授 岩本廣美
第3号 座談会「情報教育と新聞」
出席者
柿沼利昭 埼玉大学教授・元文部省視学官
鹿野川喜代美 東京都昭島市立瑞雲中学校教諭
岸尾祐二 聖心女子学院初等科教諭
原田新司 新潟日報社代表取締役専務
〈司会〉山岸駿介 朝日新聞東京本社編集委員
第4号 「養護学校でNIEを実践して」
加藤典夫 大阪府立寝屋川養護学校守口分教室教諭
第5号 「NIE活動の発展目指す 4月から新事業を開始」
山本治郎 日本新聞協会NIE委員会委員長 中国新聞社代表取締役社長
第6号 「昨年度アンケートより 多くの学校で成果」
NIE委員会
また、第1期では東京NIE推進委員会が東京都の実践を「研究報告書」として掲載してきましたが、1995年6月には日本新聞協会NIE委員会編『NIE-教育に新聞を 実践報告書 小学校編』が発行されました。
日本新聞協会NIE委員会委員長山本治郎氏(中国新聞社代表取締社長)が報告書冒頭「すそ野広がる日本のNIE」で以下のように述べています。
「NIEの一環として、日本新聞協会では学校教育における新聞活用の可能性を探るとともに、より多くの先生方にNIEの良さを知ってもらうことを目的に、教育現場の協力を得て、1989年度からパイトット計画を進めている。東京での実践を皮切りに、91年度は大阪、92年度には新潟でもスタート、94年度からはその他の地域にも拡大し、28都道府県66校の先生方に実践研究をお願いした」
東京1都から28都道府県への5年間でのまさに「すそ野広がる日本のNIE」の推進ではないでしょうか。この報告書には20都道府県31実践報告が掲載されています。テーマも多様でした。
さらに、1995年3月26日~4月2日には「米国NIE事情視察団」が派遣されました。第1回の教育関係者外国NIE視察でした。私も参加しました。3月26日~4月2日の8日間でした。サンディエゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルの西海岸各都市の学校及び新聞社訪問でした。東京・大阪・新潟の小学校、中学校、高校の各教師18人が参加されました。妹尾彰(日本新聞協会NIEコーディネーター)が引率して下さいました。
その後、教育関係者外国NIE視察は4回行われました。
1997年3月30日~4月6日
米国NIE視察 ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨーク
1998年3月28日~4月4日
オーストラリアNIE視察 シドニー、メルボルン
英国NIE視察
1999年3月20日~3月27日 マンチェスター、オックスフォード、ロンドン、カーディフ
オランダNIE視察
2000年3月25日~4月1日 アムステルダム、エームステイデ、デン・ハーグ、アイントホーフェン
計5回の教育関係者NIE視察は欧米、豪州のNIEの実態を理解する貴重な機会であったと思われます。
日本新聞協会が進めてきたNIEですが、この時期に新聞社独自のNIE活動に取り組む例が見られました。米国ではこのような新聞社が独自に取り組むNIEが一般的でした(私の3回の米国NIE視察経験から)。
1995年11月、読売新聞NIEガイド『新聞はともだち』が発行されました。子どもたちがこの冊子を読みながら新聞を通して学ぶ方法が提示されていました。
この2期は、「NIEニュース」により広くNIEの存在を教育界・新聞界に広めると同時に、日本新聞協会NIE委員会編『NIE-教育に新聞を 実践報告書 小学校編 1994年度』(1995年6月発行)では、20都道府県31実践報告が掲載されています。テーマも多様でした。大きな広がりが見られます。
実践に参加されていた先生方から、NIE発祥の地米国の視察をしたいという意向が日本新聞協会に伝わり、1995年3月第1回「教育関係者米国NIE視察」が実施されました。多くの学びを得たことと思われます。
NIEの広がりの中で、実践の質を学び合う時期に入ってきたように考えました。