第6回 新聞とテレビはオールドメディアか
11月17日(日)投開票された兵庫県知事選挙は、午後8時に斉藤元彦前知事の当選確実の速報が打たれました。斎藤氏を支持する人たちは、メディアに対して「テレビに騙された」「あなたたちは嘘を伝えていた」「これが民意だから」「選挙であなたたちと私たちのどちらが正義かわかるはず」という厳しい声が聞こえました。
斎藤元彦氏に敗れた稲村和美候補は「何を信じるかの戦いになっていた」と言っていました。
今回の選挙では、7月の東京都知事選挙同様、SNSの果たす役割が大きかったようです。そのSNSにも大きな問題が出てきました。
斎藤氏を支援したとされるPR会社の社長はメディアプラットフォームnoteに自分のSNSの発信が斎藤氏当選に大きな役割を果たしたかのような記述があり、公職選挙法に反する大きな問題になっています。
その記述は最初のものと現在のものとは異なっています。ネットでは最初のものを「魚拓」として保存しているユーザーがいて、その魚拓を引用しその後との違いをネットで発信しているサイトもあります。
https://vault131.com/orita-kaede-note/
私も2年半前からnoteに「私立小学校研究所」のタイトルで発信していますが、このようなことでnoteが注目されるとは思ってもいませんでした。
兵庫県知事選挙で、斎藤氏のSNS運用しインターネットに投稿したとされる兵庫県内のPR会社に、斎藤氏の陣営から71万5000円が支払われていました。この支払いについて、郷原信郎弁護士と神戸学院大学の上脇博之教授が共同で、公職選挙法が禁じる「買収」にあたるとして、斎藤氏とPR会社社長を刑事告発していました。関係者によると、神戸地方検察庁と兵庫県警が12月16日に告発を受理したことが分かりました。
他方、「斎藤氏の当選を目指すために立候補した」立花孝志氏のグループもSNSを活用し、元県民局長の私的な情報を発信していました。SNSのグループチャットなども活用していました。
さらに、斎藤氏の疑惑告発文書を巡る兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)委員長の奥谷謙一県議が、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首にSNSで虚偽情報を投稿されたとして名誉毀損の疑いで告訴していました。その問題で、兵庫県警が近く立花氏から任意で事情を聴くことが12月16日に捜査関係者への取材で分かったようです。
いずれの事件も12月16日に大きく進展しました。この件の経過を報道してきたのも、新聞やテレビのオールドメディアではなくネットからの情報が主流でした。今後どうなるか注目していきます。
それでは、もうオールドメディアは必要性がないのでしょうか。ネットからの情報は玉石混交です。フェイクニュースもたくさんあります。そのフェイクを検証していくことに新聞やテレビの役割はあります。そして、何よりもどのような政党、勢力が権力をもっていてもそれを常に批判する力をもう一度新聞やテレビがもつこと、これがオールドメディアからニューメディアに変換することかと考えています。